風のカオス・ティアマット

『え、えっ・・あ！白・・さん・・・！』

『うしろにティアマットだーー白さんっ！！』



























白「え・・・？
あぁ・・・・・・なんだ・・・」

『・・・？』

ようやく白さんはティアマットに気付いたかと思えば、何故かホッとした表情だ。
これじゃ焦って伝えたボクがバカみたいだ。

とにかく戦わなければ。

この浮遊城でさっき拾ったサスケのかたな。
この刀はいいものだ。すばらしい。
強敵相手にどれだけ削れるか試してみたい。

そんな事を思っていたらナイトさんが動いた。

ズシャアアァァァァァアッ

すごい・・！


一心不乱に斬りつけている。
この剣さばきは一体何だ・・

黒「ふふ・・・剛剣だな。鬼め。」

怒り狂っているようでもあり、悦に浸っているようでもある。
何か鬱憤でも晴らすかのような乱撃だ。


結局そのままティアマットは息絶えてしまった。
ボクはまるで手出しができなかった。

ナ「へっ・・やはりこの程度か。つまらねえ。」

ナイトさんは黒の方をちらっと見てそう言う。
その言葉に何故か哀愁じみた物も感じたような気もした。

ボクも黒の事を見つめてみる。
これで4体のカオスは倒した。
その後何があるんだろう？

黒「この展望窓を見るといい。」

































黒「4つのクリスタルを解放した今、
その力が世界の中心に集まっている。わかるか？」

『ここは・・最初にセーラ姫を助けたカオス神殿？
あそこが世界の中心だったのか。』

ナ「そこに行けば全てが分かるって事か。」

黒「まあ・・今教えてしまっても構わないのだが。」
白「い、言わなくていいわ！」

すごい剣幕で即答したのは白さんだった。
なにをそんなに・・？






それはそうと・・・困った事になった。
さっきの黒の話だ。

この世界の人間ではない・・・？
説明を聞いた限り、ウソはない。
彼がそんなウソをつく人だとは思えないし、
わざわざウソを言う理由もない。

(この旅が終わったら、彼は元の世界に戻ってしまうのだろうか・・？)

そうなったら彼にはもう2度と会えないのだろうか・・・。
そう思うと切なくなる。

最初の頃と違い、今ではそれなりに仲良くなれたのに。

ん・・・ちょっと待てよ。
彼は、これから先に起こる事も全て知っている。

だとすれば、旅の終わりに彼とボクがどうなっているのか、
そこまで・・既に知っているという事になるのか・・・！

思わず黒の方を見てしまう。
自分の顔がみるみる真っ赤に染まっていくのがわかる。

黒「？」

『えっ、いやあの・・そのっ・・・』

でも・・・今までのボクに対する彼の接し方を見ていると、
どうも過去のボク達は決してイイ関係にはなれなかったんじゃないか？

いや・・そこまで計算して振舞っていた？
実は恋人同士になれたけど、今回の新しい旅では無関係を装った・・とか。
いやいや・・それは希望的観測か・・・。

どうしよう・・・なんとか聞き出せないものだろうか。

そもそも3回ってどういう意味なんだろう？
ちょっと気になった事があったので聞いてみた。

『ねえ、さっきの話だけどもう1回いいかな？
その、この世界は3回目だっていう話

つまり黒さんは未来から来たという事？
だから過去に起きた事を全て把握しているの？』

黒「ん・・そういう考え方もできなくは無いが・・正確ではないな。
未来から来たというより、一冊の同じ本を読むのが今回で3回目、
みたいな考え方が最も近いと言える。」

『じゃ、じゃあさ、ボク達4人が将来どんな人と・・・けけけ結婚して、
どんな家庭を築いてどんな生活をしているだとか、
そっそういうのも知ってるの？？』

感づかれるか・・・？

いや、この程度ならありふれた女の子の質問・・
ボクだってありふれた女の子だ・・問題はないはず・・・

黒「ああ、そうか・・。そういうことか。」

ナ「？」
白「？」
『！！！！！』

(気付かれたっ・・・・！？)




つづく。
_{忍者ピンチ}