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白vsマリリス
ナ「マリリスだーー!」
忍「やっぱり誰にも憑いてなかったんだね!」
『え?え?』
2体いる・・・!?
いや違う・・・1体は実体が無い。
透けて見えている。
・・・思念体?
それより妙なのは、皆には見えていないっぽい感じ?
ホントどういうこと??
そうだ、黒はどこに・・・?
黒魔がマリリスに化けてるんじゃないの!?
黒「・・・・ふむ・・・・・・・。」
・・・いる。
一体どうなっているの・・・?
どうしてマリリスが・・・
黒、あんたは一体何者なの?
『どうして・・・?
そんな・・・何・・あなたは一体・・』
その時だった。
『う・・・ぁ・・・?』
----突然ものすごい情報量が頭の中に流れ込んでくる----
それは今まで忘れていた記憶。
思い出せなかった過去。
----自ら閉ざした全ての記憶----
『---------------』
ああああああああ!!!!!!
あたしは・・・あたしは元々オンラクの人魚だった。
綺麗な海で仲間たちと暮らし、全ては平和だった。
クラーケン、あいつが来るまでは。
オンラクの神殿にクラーケンの軍勢が攻め入った時だ。
仲間たちがいっぱい死んだ。
残る人魚は数えるほどしかいなかった。
あたしは唯一の親友のロゼッタと共に逃げていた。
敵勢を振り切り、必死に逃げた。
ロゼッタ「入り口よ・・!もう少し・・頑張って!ほら!」
2人とも傷を負っているのに、ロゼッタは気丈に振舞う。
思えばそんな彼女の性格に惹かれていつも一緒に行動していた。
彼女は天才でもあった。
古代ルフェイン文明の研究者でもあり、オンラク神殿の繁栄に尽力してきた。
仲間からの信頼も厚く、将来はオンラクの指導者としての地位が確約されていた。
この娘をこんな所で失ってはならない。それはオンラクの総意だ。
大丈夫・・もう少しで逃げ切れる・・・大海に出さえすればいくらでもやりなおせる。
ロゼッタ「ああ・・・そんな・・・・そんな・・・!」
『・・・!?』
クラーケン「フォフォフォ。逃がさんぞ。」
なんという事!
よりによってクラーケン本人が入り口の配備に!
どうしよう・・・どうすれば・・・
ダメ・・・ロゼッタだけは逃がしてあげなきゃ。
『ここはあたしが何とかする!逃げてロゼッタ!』
あたしは仲間を逃がすために一人でクラーケンに立ち向かった。
元々勝てるとは思っていない。
少しでも時間稼ぎが出来れば・・・。
ロゼッタ「・・ぜったい・・・ぜったい後で助けに来るから!」
この娘は頭が切れる。
提案を却下して自分が残るなどと無駄な事は言わない。
体制を立て直しさえすれば助けに来れる算段もあるのだろう。
『あたしが突っ込む。その隙に逃げて。』
彼女の返事を待たずにあたしはクラーケンの頭上に襲い掛かる。
水の中の動きには自信がある。
いかにクラーケンと言えど、このスピードにはついてこれない。
くるくると泳ぎ回り、渦を発生させ巻き込む。
入り口の方を見るとロゼッタが脱出する瞬間だった。
よし、これならあたしも無傷のまま逃げれるかも・・・。
ザンッ
『あ・・・・。』
一撃だった。あたしの身体は真っ二つ。
・・・そう、あたしはそこで絶命した。
しかし予期せぬ事が起こった。
クラーケンが自分の血をあたしに与え、甦らせたのだ。
やつの思惑は、自分の分身としてあたしにオンラクを統治させ、
自分は他の海へ侵攻を進める・・・そういう絵図だった。
ああ見えて流石に海の支配者。
オンラクに顔が利くあたしを置いておけば
無駄な恐怖統治を行うまでもなく平定できる。
ただし有事の際に意のまま操れるよう、自分の血を残しておく。
狡猾だ。
単なる道具として生かされているあたしだったが、
それでもクラーケンはそれなりにあたしの事を気遣っていた。まるで娘のように。
家族・・・と言うほど大層な関係ではないけれど、
そうやって暮らすうちに自分の中でもクラーケンへの憎しみが消えていったのは確かだ。
ある日の事だ。
人魚の残党が決起し、海底神殿に向けて進軍中だという。
クーデターだ。
人魚軍のリーダーはロゼッタだった。
かつての仲間と戦うのは気が重かったが、いつかこうなる事はわかっていた。
統治者としての責任は果たさなければならない。
妖魔の力を得た今のあたしなら、元々戦闘には向かない人魚軍は一瞬のうちに制圧できる。
大した労ではない。
人魚軍は海底神殿の地上側から進行してくる。
ぼんやり下で待っているのも性分じゃないし、
何より久しぶりにロゼッタに会いたくもあったので自ら出向く事にした。
『あれ?』
おかしいな、ある一定の場所から上へは近づけなくなっている。
ロゼッタ「結界を張ったの。地上に近いほんのこの部分だけしか張れなかったけどね。」
『ロゼッタ・・・!久しぶりね。』
お互いに再開を喜べる立場でもない。
それでも彼女に会えた事は嬉しかった。
だというのに戦わなければならない。
彼女らが軍を以って攻めてきた以上、それは避けられない。
そう思った。
しかしロゼッタ達の真の目的を知って驚愕する事になった。
ロゼッタ「今まで時間がかかっちゃってごめんなさい。
でも、約束したから・・・。」
『約束・・・・?え・・・?』
・・ぜったい・・・ぜったい後で助けに来るから!
『もしかしてあの時の・・・?』
助けに・・・来てくれたの・・・?
ロゼッタ「結界がある以上、クラーケンはこのエリアには干渉できないわ。
ほんの一部分だけど私達が暮らしていくには十分。
・・・でもあなたの進入まで拒んでしまう・・・だから逃げて。」
やっぱりこの娘は・・・この娘の優しさは本物だ・・・。
妖魔と成り果てたあたしにはその想いが胸に痛い・・・。
『そんな・・・だってあたしはあなた達を殺・・・うっ、ぐすっ・・・』
ロゼッタ「泣かないの。みんなあなたには感謝してるのよ。
あなたは私達に決して酷い仕打ちを行わなかった。
それに今日は皆であなたに謝りに来たの・・・
今まで一人で辛い思いをさせて・・・ごめんなさい。」
『ロゼッタ・・・・うわあぁぁぁぁん』
感極まって泣き崩れる。
この娘と友達でよかった・・
この娘と知り合えて本当に良かった・・
ロゼッタ「クラーケンは海を統べる水棲族の王。
その性質上、熱いところには近づけない。
ここから遥か南東のグルグ火山に身を隠すといいわ。
そこまでは絶対追ってこれない。」
『うん、ありがとう・・・ありがとうロゼッタ・・・!』
ロゼッタ「お別れねマリリス・・・。
あなたも辛いだろうけど、頑張って。」
グルグ火山に身を隠してどれくらい経ったのだろう。
元々棲みついていた原住者たるモンスターを糧とするうちに
魚体だった下半身は蛇のよう に変体していた。
『ロゼッタはどうしているだろう・・?』
それだけが気がかりだった。
ある日、人間の冒険者が来 訪した。
この火山の奥地に眠る財宝、
クリスタルの膨大な力を狙っての事だった。
これを奪われてしまってはこの火山を覆う 炎の力は失われてしまう。
それはクラーケンの侵攻を許してしまう事に直結する。
やつがあたしを許しておくわけがない。
あ たしは火のクリスタルを守るべく、不本意ながらも人間と戦う日々が続いていた。
いつしか、人の世ではあたしはこう呼ばれ、恐れられる事と なった。
火のカオス・マリリス と。
つづく。
決着ついてねーし・・
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