忍者ブログ
徒然なるままにFleyさんの何となく日記
[288]  [287]  [286]  [285]  [284]  [283]  [282]  [281]  [280]  [279]  [278
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

古き時代に想いを馳せる風のカオス・ティアマット。


「ティアマット、そなたを我が軍師として迎える。
今後は参謀長、私の右腕として頑張ってくれ。


「はっ。恐悦至極に存じ奉ります。

「それとな、この娘なのだが。

「は。

「我が妹よ。そなたに教育を任せたい。







「ねーさんぼうちょう

「おお嬢、どうなさいましたか。

「あたし、おおきくなったら、さんぼうちょうの、およめさんになるの!


「はっはっは・・・これはこれは

「やくそくだよ!






「状況はどうだ参謀長。


「は。
第2王女派の軍勢はこちらの戦力のおよそ10倍。
このままでは・・この継承戦争は勝てませぬ。
次期龍王は第2王女・・・嬢という事に。


「ふん。まさかあやつと戦争になるとはな。
実の妹と思って甘やかし過ぎたわ。
いや、甘やかしたのはそなたかも知れぬな?参謀長。


「返す言葉もございません・・・しかし・・・
嬢は嬢で立派に龍王としてやっていけるかと・・


「たわけ!あれには無理だ。
龍王というのはそんな生易しい地位ではないぞ!


「は!ご無礼を・・・!

「くっ、この忌々しい病さえなければ・・・。







「嬢。

「ああ参謀長。
姉の所へは行ってきたの?


「はい。

「それで?

「嬢を捕らえてくるようにと・・。

「ふーん、そっか。
なら仕方ないね。


「嬢・・・すみません。


「あなたの気にする事じゃないよ。
私たち姉妹の問題だしね。
行こうか。






「来たか。

「姉さま。久しぶり。

「・・・・。


「どうするの?
どうせ落としどころは王家転覆を企てた反逆者・・・・ってところでしょ。
全く下らない捏造ね。
で、どうするの?殺すの?


「ふん、しゃあしゃあと。
お前の方こそ病に伏せった私などいつでも殺せるだろう。


「そんなつもりはない。
どうするの、と聞いているの。


「こうするのだ!

「りゅ龍王!?


「うあっ!?

「嬢・・・・?

「・・・ここは・・・?
あなた達は・・・?


「ふん・・。

「うっ・・・!?

「嬢!

「心配いらん。眠らせただけだ。


「これはいったい・・・?


「記憶と龍化能力を封印した。
いくらなんでも実の妹を殺すわけにはいかん。
例え反逆者であろうとな。


「そうですか・・・・。
寛大な処置・・・痛み入ります。


「そなたと妹との関係は知っておる。
辛い思いをさせたな参謀長。


「い、いえ・・!決してそのような・・・。
我が忠義は龍王のみの為・・・。


「よいのだ参謀長。
私も長くない。あとはそなたの好きにせよ。
妹はどこか誰にもみつからない場所へと隠す。
それでもうこの戦争も終わるだろう。


「はい・・・。




場は再び、崩れ落ちるカオス神殿へ。
今ここに哀しき2人の龍の血がぶつかりあう事に。


『どうした。』

「いえ、ちょっと昔の事を。」

『時間がない。さっさと始めよう。』


「はい。」

ん・・・?
『変身はしないのか?さっきの龍に。』

「このままでいいですよ。本気でやるんですからね。
私の本気はこっちの姿ですから。」


人間の姿の方が強いってのかよ・・
いや、それよりも

『さっきのは本気じゃなかったって事か・・・恐ろしいな。』

「そんな事を言って顔は笑っていますよ。
フフ。血は争えませんね。
それに嬢もさっきは本気じゃなかったでしょう。」


『私が?』
本気で戦ったつもりではあったが。

「おや、今もまだ本気になりきれてませんか。
もっとも龍化能力を失った今では本気になれませんか?
昔から嬢は龍化して本気になると、自分の事を【俺】と言ってました。」


『・・・そうだったのか。
ならそれは多分あんたのせいだ。
きっとあんたとは色々あったんだろうな。
無意識のうちにどこかで遠慮があったのかもしれない。』


「不要な事です。」

『そうだな。その通りだ。
わかった。俺も本気でいく。あんたも本気で来い。』


「はい。」


勝負は一瞬で決まる・・・相手もそのつもりだろう。


『やあああああああああああああああ』

「おおおおおおおおおおおおおおおお」

その時だ。
どこからともなく不意に声が聞こえてきた。



あたし、おおきくなったら、さんぼうちょうの、およめさんになるの!


ズシュッ


『・・・・・。』

「・・・・・。」



ティアマット・・・やっぱりとんでもねえ・・・・。

「嬢・・・あなたは優しすぎる。
たしかに龍王を継ぐべきではなかったのかもしれません。
何故・・・本気で来なかったのですか。」


本気なんて出せるわけがなかった。

『あんたの方こそ・・・本気じゃなかった。
あれほど言ったのに何で・・・。』


「フフ・・・直前まで本気だったんですけどね・・。
最後の最後で・・声が聞こえてしまって・・・ぐふっ!」


声?
それなら私にも聞こえた。

『参謀長!?しっかりしろ!』

「フフ・・またそう呼んでくれるんですね嬢・・・でも記憶は・・ごふっ」

『いい!喋るな参謀長!
そうだ、仲間に白魔道師がいるんだ!すぐ連れてくるから!』


「無駄ですよ・・お仲間の・・白魔道師、あれは・・マリリスで・・・す。
浮遊城の監視システムで・・常に記録されております。」


『マリリス!?何を言ってるん・・いや、もういい、喋るな。』

「だいじょうぶ・・・大丈夫です嬢。わたしのことならだいじょうぶ・・
それよりも・・きおく・・」


『記憶?記憶がどうした?』


「きおくは・・・もどらないほうが・・・いいですね
でないと・・・きっと・・・辛い想いをさせてしまいます・・・」


『参謀長・・・。』

「最後に嬢に会えてよかった・・・それにこうして戦って死ねる・・
これ以上の誉れはありますまい・・・。
いきなされ嬢・・・お仲間が待っ・・・てますよ。」


『だめだ!参謀長をこのままにしておけない!』

「わ、わたし・・・なら平気です・・・さあ早く・・・行って下さい。」

『だめだよ!一緒に、そうだ一緒に行こう参謀長・・・!』


「わがままを言うな!今自分が何をすべきかわからないか!!」

『!!』

「私は風のカオスとして光の戦士に敗れた、それだけの事だ!
ならばお前にはまだすべき事があるだろう!
仲間が待っているんだろう!さっさと行け!」


『参謀長・・・。』

「ふふ・・ご無礼を。
さあ・・・行っ・・てく・・ださい。これ以上・・・はも・・う言う事もあ・・りませんし、
そろそ・・ろ喋るのも・・・もう


『!?
待って参謀長!聞きたい事がいっぱいあるんだ!』


ガクッ

『参謀長!参謀長ーーーーーー!!!』


彼は満足そうな笑みを浮かべてこの世を去った。



私は失ってしまったのだ。

最愛の人を。


『うああああああああああああああ!!!』


そう。記憶は既に戻ってしまっている。

私はこの人が好きだった。
何でも知っていて、何でも教えてくれて、誰よりも強かったこの人が。

彼はいつも私に優しくしてくれた。
彼にしてみればそれは姉王からの命令でしかなくて、
単にそれを忠実に実行していただけだったのか。

それとも彼も・・・。

今となっては知る術もない。


ゴゴゴゴゴゴ.....

『崩れる・・・。』

行こう・・・この忌まわしい戦いを全て終わらせなければ。
黒が先で待っているはずだ。

つづく。
ナイト編完結。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
F
性別:
男性
職業:
女王家直属参謀長
自己紹介:
最新コメント
[06/16 Fley,じゃなくてFlayer]
[06/12 妖精]
[03/25 Fley]
[03/24 マリー]
[03/07 Fley]
Copyright © 花と太陽とタルと All Rights Reserved.
Designed by 10p
Powered by Ninja Blog

忍者ブログ [PR]